クープが開かない時、スチームを増やしますか?それとも減らしますか?
生徒さんたちに質問をすると、
「クープが開かない時は、スチームが足りないからだと思うので、スチームを増やします!!」
と答える方が大半です。
オーブン投入時のスチーム量を変えたらどうなるか?
実際に比較テストを行いました。
クープまでは同じ工程で、スチーム量だけを変えて比較しています。
比較実験の結果
結果は下の写真の通りとなりました。
- スチームが少ない
→ クープがメリメリと開いて裂ける - スチームが適量
→ クープがきれいに開く - スチームが多い
→ クープの開きが小さい
結果は予想通りでしたか?
どうしてスチームが少ない方がクープが開くの?
スチームが少ないと外皮が乾燥して早く焼き固まるからです。そのため、中の生地が時間差で膨らんだ際に行き場がなくなり、弱い部分(クープを入れた部分)が裂けて膨れてしまいます。
逆にスチームが多いと、スチームによって外皮が柔らかい状態に保たれ、焼き固まる時間が遅くなります。生地内部が膨れると同時に外皮も合わせて伸びるため、全体的にボリュームが大きくなります。そうなるとクープの必要がなくなるため、クープは開きにくくなるというわけです。
「クープが開かない」と悩んだときは、ぜひスチームの量を減らして試してみてくださいね!
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